カッター(前編)
こんにちは。東京営業所の竹本です。
今日のテーマは「カッター」です。
私どものようなシール屋さんでは、一般的にタック紙と呼ばれる、のりがあらかじめ塗られている原紙を加工(印刷、ヌキ等)しています。
文字で表現するとわかりにくいですが、タック紙はシールの紙部分(表面基材)、のり(粘着剤)、のりが付かない台紙(剥離紙)の三つで構成されています。
私どものでは、シールを作るときに、「紙」と「のり」はカットしますが、「台紙」にはできるだけキズを付けないように抜いています。強く抜きが入ると台紙が抜けてしまいますので、ちょうどよい具合に調整しています。
最近はA4サイズのタック紙が市販されており、お客様がプリンタで印字してからカッターで好きなサイズに切って使われることも多くなっていています。お店では売っていないような、やや特殊な原紙を私どもが販売することもございます。
あるお客様から「台紙を切らずに、シールだけ切ることのできるカッター(市販の文房具)はないのか」と聞かれたことがあります。
このテーマについては、私自身もとても興味があり、数年前にいろいろなカッターを購入して試したことがあります
私がそうでしたが、一般的には、「一枚切り用のカッター」が使えそうな気がすると思います。いろいろな種類のものが販売されており、中にはオルファのキリヌークのように刃の高さを調整できる優れものもあります。
実際には、ただ切ればよいのではなく、狙ったところを正確に切る必要がありますが、私が試した一枚切りカッターはどれも刃がちょっとしか出ていないため、刃の側面に直接定規を当てて切ることができませんでした。まっすぐにカットできない、狙った位置でカットできないというのは結構つらいところです。
また、力を入れれば深く切れ、力を入れなければ切れないという原理は1枚切りカッターも普通のカッターも共通に当てはまるようで、特に新聞などの薄紙用に設計されている製品では強めに力を入れないとシールは切れず、結果的に力を入れ過ぎて台紙まで全部切れてしまう場面も多かったです。
私は、自分の実験結果から、そのような都合の良いカッターはないと結論付けていましたので、お客様に対しても「そのようなカッターは無いと思います」と伝えました。
しかし、数か月後に、そのお客様が一枚切りカッターで狙ったところをまっすぐに切っていることを知りました。
私にはまったく思いつかなかった方法でしたが、やり方を聞いたらすぐに理解できました。「なるほどそんな方法があったのか。流石ですね。」と思うばかりでした。
その方法については次回の「カッター(後編)」で引き続きお話しします。カッターの使い分けに付いてもあわせてお話しいたします。お楽しみに。