カッター(後編)
東京営業所の竹本です。カッターについてお話してきましたが、今回が最終回になります。
中編の最後に予告しましたが、キャンペーンシールの手作り作業をお見せいたします。
中編でご説明したような、シールを商品に貼った後に応募券部分を剥がしてハガキに貼るという設定です。
今回は3層タック(都合により上質三層になります)という剥離紙が2枚ある原紙を使います。
この原紙は構造的には
上層シール基材
中層糊付の剥離紙(白)
下層通常の剥離紙(青)
の三枚の紙で構成されます。
実際にはこんなシールは無いと思いますが、
ミシンと背割れも入れて意図的に複雑にしてみました。
使用するカッターは以下の4本です。写真左から
1.NTカッター A-300P(刃は普通のAタイプ)
2.NTカッター A-300GR(刃は普通のAタイプ)
3.オルファ リミテッドAA(刃は極薄の特専黒刃)
4.オルファ ミシン目カッター28
になります。
まず①A-300Pで外形をカットしてしまいます。剥離紙まで3層(上、中、下層)全部カットします。
次に②A-300 GRにカッターを持ち替えて最上層のシールのみをカットしてカスをめくります。
①と②は同じ刃のカッターですが、深く切るか浅く切るかで力の入れ方が異なりますので、カッターを軽いプラスチック製からやや重い金属製に持ち替えることで、手の感覚も切り替えるようにしています。
このときに、中層の薄い剥離紙も一度に切るほうが効率的ですが、中層の剥離紙は最下層の剥離紙よりも薄く、少し強めに入ると全部切れてしまいます。
力加減がとても難しいため、欲張らずに上層のみをまずカットします。
その次は中層をカットしますが、一般的にはここが一番難しいと思います。
③黒い極薄刃を装着したリミテッドAAに持ち替えます。
力を入れずにただ撫ぜるだけで、下層に傷を付けずに中層の薄い剥離紙のみを切ることができます。
その次は斜めのカットをハーフカット用の②A-300GRで切ります。
背割れもハーフカット用の②A-300GRで入れます。状況によっては③の極薄刃で仕上げます。
最後にミシンを④のミシン目カッターで入れて出来上がりです。
かなり面倒な作業をお見せしてきましたが、弊社では最近プロッター設備が充実してきており、このような手間のかかる作業をしなくともある程度は機械できれいにカットできるようになってきています。
シールの使い勝手を打ち合わせしたい場合など弊社営業員に気軽にお問い合わせいただければ幸いです。